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デュエット

最初の出会いは



四谷荒木町のバーだった





担当していた作家さんに




連れられて行ったその店にいたのが彼女だった





「君も何か歌いたまえ」




十八番を歌い終わってご機嫌な作家さんに



半ば命令口調で言われ



渋々ピアノを弾く彼女の所に行き



「『屋根裏部屋の二人』分かりますか?」





そこで初めて顔を上げ



「ジャクゥ ラロシュのですか?」




私は肯いた






二人はその歌通り恋に落ち



やがて



一緒に暮らし始め




三度目の秋が来た





「私たちが出会った晩、あの時の曲憶えてるか?」



私の問いに鏡に向かったまま彼女は答えた



「もちろん 忘れるはずないわ」





あの曲の最後は別れの歌詞





「そうか 私はこの頃すっかり物忘れがひどい」




髪に櫛を入れていた手を止め彼女は振り返えりながら言った




「そうね 確か・・・・



 ジャン トレネの『永久のデュエット』だったかしら」





私は頷いて彼女の額にキスをした
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非公開コメント

1. 無題

そんな大事な事までも、忘れるんか~。

私は、ちゃんと、手帳に書いてるでー。

2. それで


心配事は 消えた?


彼女のが 上手ねw



3. 忘れるもんか

>それから、ひめこさん

彼女の全ての

言葉も仕草も

憶えていますよ

4. それで はい

>blackcatさん

常に

彼女は一枚上手

それで 何の心配もないのです
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